東京フリーランス代表・船越良太「ユーザーを増やすために一番大切なこと」

東京フリーランス船越良太

近年、様々なバックグラウンドの人がノーコードツールを使いサービスをリリースする事例が増えていますが、ノーコードツールにより手軽にアプリを作れるようになっても、リリース後に継続的に成長させていくためにはSEO対策、ファンコミュニケーション、広告運用などの様々な施策が必要になります。

とは言え、ユーザー獲得のためのマーケティングに関しては「何から始めればよいのか分からない」「出来るだけ予算を抑えたい」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、UI/UXデザイナーとして月に300万円以上を稼いだ経験を持ち、現在はフリーランスの羅針盤となるメディア「東京フリーランス」の運営やフリーランス向けのオンラインスクール「デイトラ」を提供する船越良太さんに、サービスを成長させていく上で重要なこと、UI/UXの重要性、ノーコードの普及により変わる働き方などについてお聞きしました。

【船越良太さん/東京フリーランスCEO】
東京理科大学卒業。日本IBMを退職後、フリーランスのUI/UXデザイナーとして独立。2017 年にUI/UXデザイン会社の株式会社蒼を設立。現在は、自身もUI/UXデザインを手掛ける他、「東京フリーランス」や「デイトラ」を通じてフリーランスの育成に尽力する。

 

二年でユーザー6000人。東京フリーランスが支持される理由

東京フリーランスの提供するオンラインスクールのデイトラは、ほとんど広告費をかけずにユーザーを増やしていったそうですが、どのようにしてユーザーを増やしていったのですか?

 東京フリーランスでは、現在約6000名のユーザーの方にデイトラを使って頂いていますが、これまで広告やマーケティングにはほとんどお金をかけていません。東京フリーランスはSNSでユーザーとのコミュニケーションを頻繁に行うことで地道にファンを増やし、デイトラを受講して転職に成功した話や年収が上がったという成功体験をユーザーの方々に発信してもらうことで、ファンが雪だるま式に増えていった感じです。

-Twitterなどでファンを増やしていく方法はお金もかからないですね。

そうですね。今も夜中でもユーザー一人ひとりに真摯に対応しています。「実際に返信が来るとは思いませんでした。」と喜んでくれることも多く、そのような積み重ねでファンがファンを連れてくるということに繋がります。お金もかからず、そんなにリソースを割くこともないので、逆になんでみんなやらないのだろうと思っています(笑)。

まずはマーケティングよりもブランディング。数よりも質。

 最近、ノーコードツールの普及に伴い個人あるいは数人の小規模なチームでサービスをリリースするケースが増えていますが、ユーザー獲得のためには何から始めればよいのでしょうか?

マーケティングとブランディングの線引きは難しいのですが、予算が限られているのなら、マーケティングにお金を使うのではなく、ブランディングを徹底して、数は少なくても良いので熱狂的なファンを作ることが一番重要です。

例えば、有名なインフルエンサーなどを広告に起用して一時的に数字が伸びても、お金が絡んでいて正しい情報ではないのではないか思われてしまう恐れがあります。それよりも熱狂的なファンの生の声を伝えていく事の方が信頼を得やすいですし、結果的にコスパも良いと思っています。

インフルエンサーマーケティング自体を否定的するわけではないですが、インフルエンサーのようなキラキラした人達の発信より、自分と同じような境遇の人達の生の声の方が、信頼のある情報として受け取ってもらえます。

私たちの「デイトラ」でいえば、「月収4万円だった大学生の僕が今では月20万稼げるようになった」とか「主婦がデザインを学んで月収が30万円アップした」といったエピソードの方が、読んだ人は「自分にもできるかも知れない」と思ってくれますし、自分事として受け止めてくれます。

これは持論ではありますが、私は、広告運用やインフルエンサーのポジショントークを沢山みるとうっとうしく思ってしまいます。広告を出しすぎて、逆にうざいと思われてしまったり、ネガティブな感情がサービスとリンクしてしまったら、ブランディング的には最悪です。

その意味では、広告は諸刃の剣な側面もあるので注意が必要です。私たちのサービスはコミュニティの側面もあるので、本当に自分のサービスのファンになってくれる人でないと、どんなに有名なインフルエンサーだとしても一緒にやっていくのは難しいと思っています。

 

 まずはユーザー数を追うのではなく質を重視するということですね?

間違いなく数よりも質です。そして、マーケティングよりもブランディングです。ゆくゆくは広告などにマーケティング予算を使うことがあるにしても、それはかなり後になってのことだと思います。まずは、ファンとしっかり向き合うことの方が圧倒的に重要です。プロダクトやサービスをリリースすると、PVなどの数字を追いかけてしまう人がいますが、目先の数字を追い求めることは個人的に良くないと思っています。

ファンとなってくれるユーザーと真摯にコミュニケーションを取って「あなたと同じようなユーザーさん達は、こんな実績があります。あなたも使ってみませんか?」というメッセージを発信していきましょう。

真摯な姿勢でユーザー一人ひとりと向き合うブランディングを徹底することの方が、マーケティングよりも圧倒的に重要なのですが、ほとんどの企業がこれを徹底できていません。

 

UI/UXデザインの重要性

 

船越さんの専門分野である、UI/UXデザインの重要性について教えていただけますか。

WEBサイトやサービスの画像を一枚変えただけでコンバージョン率が大きく改善されたり、サービス退会時のメッセージを工夫するだけで退会率が劇的に下がることもあるので、UI/UXは非常に重要です。最近は日本の企業もUI/UXにより多くの予算を割くようになっていますね。

それに応じてUI/UXデザイナーの単価も上がってきており、WebデザインやUIデザインの分野ではデイトラで学習して月収100万円になったという方が数多くいます。

一般的なデザイナーの平均月収は20万から30万ほどだと思いますが、LP(ランディングページ)のデザインを受注する際も、デザイン能力に加えてCVR(コンバージョン率)を挙げた実績なども合わせて提案することで高単価の案件を獲得できるようになります。企業は綺麗なデザインよりもお金に結びつくデザインを求めているので、日頃からデザイナーの方たちにはCVR(コンバージョン率)などの数字改善を意識して、より大きなお金に近づくように教えています。

 

-UI/UXデザインはどのようにして学べばよいですか?

UIデザインは、体系的な教材があまりなく、専門学校も日本では数か所しかないので、まずは、UI/UXデザインに関する書籍を何冊か読んだ後に、UX MILKやPhotoshopVIP、Pinterestなどで優れたUI/UXデザインを沢山見て、デザイナーとしての引き出しを増やしたり、気になったサイトのボタンやバナーの配置の理由を自分なりに考えてみるといった方法がよいです。

 

-ノーコードに関してどのように考えていますか?

Webサイト・ECサイトを中心に、ノーコードでの作成案件は増加しています。ShopfyやStudio、Webflowを使った事例は非常に増えていますね。ノーコードは、ベンチャーや個人インフルエンサーが使っていくともっと市場も広がっていくと思います。ベンチャー企業やスタートアップがテストマーケティングで使うという利用方法も増えていくのではないでしょうか。ある程度の規模のシステムをノーコードで安定して運用できるのかといったことに関しては、今の段階では分かりません。

 

-ノーコードは今後、エンジニアやデザイナーの働き方のも影響を及ぼしますか?

WordPressが登場した時に、WEBエンジニアは不要になると言われていましたが、プログラミングの素養のあるWEBエンジニアの職は未だになくなっていません。ノーコードに関しても、より細かい仕様などはエンジニアの人の方がバリューを発揮するので、ノーコード領域で活躍するエンジニアも今後増えていくのかも知れません。

また、ノーコードの普及はデザイナーにとっては明るい話だと思います。まだまだノーコードを扱える人は多くないので、今のタイミングで参入すれば、ノーコードツールを扱えるデザイナーは差別化できると思います。

 

 

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