【ノーコードとDX】大企業におけるノーコードツール活用のアプローチ。DXを加速させるノーコードの威力とは

  • 2020年10月9日
  • 2020年11月7日
  • コラム

昨今、ノーコードツールは目覚ましい進化を遂げています。これまでには開発者が数人~数十人で数か月かけて開発していたサービス・アプリも、ノーコードの活用により工数が劇的に少なくなりました。また、日本でもノーコードツールを利用して開発されたアプリが売却されるなど、徐々に活用の場が広がりつつありますが、一方でノーコードツールは「開発の補助」、「システム開発の場面においてのみ利用されるのではないか」という意見が多いのも事実です。 

しかし、ノーコードツールはただ単にシステム開発の場において役に立つのみならず、事業部門や管理部門など、企業のあらゆる部署で活用することで、全社的なDXを促進することにつながります。 

 実際に企業の中でどのような活用方法があるのか、また、ノーコードツールを社内に浸透させることによりどんな利益がもたらされるのか、紹介していきたいと思います。 

企業で進めるべき「DX」の定義とは 

 

日本におけるDXは、経済産業省が2018年に「デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するためのガイドライン」を取りまとめたことを皮切りに注目を集めることとなりました。 

同ガイドラインによれば、DXとは「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」とされています。 

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日本ではDXを社内で推進するよりも、DXを得意とするベンダーやコンサルを外部から招聘し、てこ入れするタイプが主流となっていますが、本記事においては、海外のトレンドである自社内での内製化という文脈でのノーコードの活用方法について、紹介していきたいと思います。 

 

企業の各部門におけるノーコードの活用 

 

1.事業部門 

まず、事業部門において、新規事業を立ち上げる場面を見ていきましょう。 

一般に企業の直接部門においては、常に企業の売上を伸ばし、ユーザーをいかに多く獲得できるかという観点から新製品や新サービスの構想を練ったり、今提供しているモノ・サービスの改良に取り組んでいます。加えて現在DXにより、主にデジタルという観点を加えた新製品・新サービスの開発に舵を切っている企業が増えつつあります。 

その中で、ノーコードツールを活用することで、自分たちが企画・立案しているアイデアをその場でプロトタイプとして具現化させることができるようになります。ブレインストーミングの1時間後にはプロトタイプが目の前にある、というスピード感は、新規事業の立ち上げにおけるボトルネックの解消につながるでしょう。 

加えてノーコードツールを活用して作成されたサービスやアプリケーションは、コーディングの工程が不要であるため修正にかける時間も劇的に少なく済みます。 

 

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消費者の好みの移り変わりが激しいデジタル化社会においては、企画立案からモノ・サービスの提供までの期間をいかに短くし、ユーザーの意見を取り入れ軌道修正していくかが重要となりますが、ノーコードはこれらの時代の流れに即した開発をサポートする強力なツールとなり得るのです。 

加えて社内の事業部門内で、ないしは複数の事業部門を横断するようなノーコードアプリを作成することも可能です。後述するバックオフィスとの連携により、社内の業務にかかるコストを削減し、事業部門は自社の売上に直結するようなメインの作業にリソースを割くことができるようになるでしょう。 

 2.管理部門/バックオフィス 

総務、人事、経理などの管理部門においても、ノーコードは幅広い用途が期待できます。 

 

そもそもこれまで売り出されてきた既存のSaaSツールやパッケージのシステムは、各社に共通する業務の部分を切り出して提供されたサービスラインであったため、自社に固有の業務に関してはマニュアルの運用に頼るか、新規に追加でシステムを開発せざるを得ない場面が多いのが現状でした。 

 

マニュアルの運用では業務の属人性が上がってしまい、「〇〇さんがいないからできない」といった場面が発生しがちな一方で、システムを導入するためには自社のシステム部門や外部ベンダーとのプロジェクトの立ち上げが必要になるため、小規模で機能が限定されたサービスであっても金銭的・時間的コストがかかってしまうことが多かったのです。 

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ノーコードツールはそれぞれのツールによって特性や向き・不向きこそあるものの、チュートリアルに従えば非技術者であっても簡単にサービスを作成できる点は共通しています。ゆえに、これまでルーティンの作業が多く、オペレーションが硬直化していた管理部門であっても、「自分で改善提案をして、自分で改善のためのツールを作成する」ことがだれでもできるようになるのです。 

 

結果として管理部門の業務をデジタル化でき、事業部門とのシームレスな業務運用が可能になることでしょう。 

 

ここまで、各部門ごとのノーコードの活用方法を考えてきましたが、実際にノーコードツールを活用し、全社的なDXに成功しているのが、米国トヨタです。 

ストーリー画像4

(参考:Toyota improves efficiency and speeds innovation with Microsoft Power Apps)

米国トヨタにおいては、全従業員にマイクロソフト製ノーコードツール「Microsoft Power Apps」のアクセスを開放しています。利用・展開は自由で、システム部門のセキュリティ・コンプライアンスチェックを経由すれば、だれでもそのアプリを会社全体に展開することが可能で、すでに400を超えるアプリが社内にリリースされています。 

 

詳細はこちらの「米国トヨタ、ノーコードツールを活用し現場改善を実現」の記事をご覧ください。 

 

 

 

3.社内のシステム部門 / システム関連会社

これまでは非システム部門がいかにノーコードツールを活用することで恩恵を受けられるか、という側面で検討してきましたが、では社内のシステム部門やシステム関連子会社(以下、便宜上「社内SE」と呼称)はどのような影響を受けるのでしょうか。 

 

まず、社内SEの役割はノーコードツールの全社へのアクセス開放および利用者の増加によって確実に変化することでしょう。パフォーマンスやセキュリティの要件を厳格に定める必要がある基幹システム以外の周辺システムは、ノーコードツールを活用した開発・運用保守に置き換わる可能性があります。例えば管理部門が自分たちで小規模な会計管理アプリや伝票管理アプリを作成する、といった場面も出てくることでしょう。 

 

これにより、社内SEは全体最適の観点から各システムのガバナンス維持やデータの連携、業務の自動化といったロールを担うようになる可能性があります。 

 

一方でこのような変化はこれまでのシステム開発がなくなることを意味するわけではありません。先述した基幹系システムは会社のヒト・モノ・カネというリソースを管理する最もコアとなるシステムですから、関連システムが多く、システムの安定運用、性能の向上、セキュリティの問題、システム刷新に伴う業務の整理など開発に付随する課題が多く存在します。いかにノーコードツールを活用して作成しようとも、これらすべてをカバーすることは難しいため、長らく自社のシステムの運用保守を担い、業務側との要件のすり合わせを担当してきた社内SEが主導となり、システム刷新プロジェクトを実行していく潮流は当面続くでしょう。 

 

しかし、それでもノーコードツールを活用することで、要件のすり合わせにかかるコストは劇的に改善します。例えばスマホアプリの開発プロジェクトであれば、ノーコードツールを活用することでスマホアプリのプロトタイプを数時間で開発することができます。その場で作成したプロトタイプを提示し、業務側の想定した成果物になっているか確認したり、業務側の想定と異なっていた場合にその場でプロトタイプを修正することで、システム開発でありがちなエンジニアと業務側の認識齟齬を事前に避けることができるようになります。結果としてデリバリーにかかるコストは大幅に改善されることでしょう。 

またシステム開発におけるキモとなる要件定義は、ノーコードツールが普及したとしてもなくなるフェーズではありません。日々複雑で変化の速さを増しているビジネスに対応するため、現在のシステム開発においては業務側の要望は多岐にわたります。これらの意見をまとめあげ、システムに落とし込むというロール自体はノーコードでも不変であり、システムの全体像を把握している社内SEの腕の見せ所となるでしょう。 

 

ノーコードとDX

今回は企業における、ノーコードツールを活用したDX推進のアプローチについて俯瞰しました。日々変化するビジネスに対応していくためには、自社内でのDX、すなわち内製化が不可欠です。そのDXを推進するために、ノーコードツールは協力なサポーターとなり得るでしょう。 

 

NoCodeJapanでは、今後も国内外の最新の動向および企業での活用におけるインサイトについて、配信していきます。 

 

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