今後注目すべきイスラエル発のノーコードスタートアップ5選

スタートアップの集積地として知られるイスラエル。イスラエルのスタートアップの勢いが盛んであることが日本でも認知されるようになって久しくなりました。例えばユニコーン企業、またGAFAと呼ばれるジャイアントテック企業の創業者らにユダヤ人が多いことは有名であり、彼らのビジネスの展開を確認することで、トレンドに関する様々なインサイトを得ることができます。

もちろんノーコードという分野においても、例にもれず、この数年を通して多額の資金調達に成功しています。

今回はイスラエル発で、エンタープライズ向け・個人向けそれぞれのノーコードツールを提供している企業を5つ、ご紹介したいと思います。

1.Anima

 

Animaは2017年に設立されたテルアビブ発の企業です。
彼らは企業向けのノーコードツール「Anima」を提供しており、これを使用することで、デザイナー・エンジニア同士のシームレスな共同開発を実現することができます。

具体的にはデザイナーがSketch、Figma、AdobeXDなどで作成した成果物を、Animaのプラグインを使用することで、HTMLやReactといったソースコードにコンバートすることができます。また、変換されたソースコードを自動ビルドしてくれるので、エンジニアの開発工数の削減にもつながります。

実績として、すでに30万人以上に利用されており、Google,Facebook,Amazonなどのジャイアントテック企業やDisney,Netflixといったグローバルブランドの一部チームの開発にAnimaのプラグインが導入されています。

GAFAで利用されるイスラエルのノーコードスタートアップAnima、250万ドルを調達へ」の記事でもご紹介しているように、継続的に資金調達を行い、人員の拡大・プロダクトの品質向上・マーケティングへ戦略的に資金を投下しています。

 

実際の操作画面

デザイナーとエンジニア、またプロジェクトの管理者らといった様々なロールのメンバー使用することを想定し、誰にでも使いやすいシンプルなUIとなっています。

レスポンシブデザインにも対応しており、例えば上記のようにプレビュー画面でレスポンシブ切り替えをすることも可能です。

 

 

2.Walnut

 

2020年1月にテルアビブで設立されたばかりの企業です。
彼らが開発するノーコードソリューション「Walnut」は企業の営業担当向けとなっており、営業担当が使用するシステムのデモ製品・デモの使用率などをトラッキングするアナリティクス機能を提供しています。

従来デモ製品を作成する際、デザイナー、製品開発者、R&D担当など、多くのバックエンドチームへ作業を依頼する必要がありました。しかしWalnutを使うことで、各アプリケーションのどの部分を使用したいか「ストーリーライン」をGUIで選択するだけで、営業先企業や業界固有の商慣習などにカスタマイズされたデモ製品をコーディングなしで自動生成することが可能です。

実際の操作画面

操作画面をあらかじめ録画しておく機能や、複数のデモをテンプレートとして保存する機能などが充実しています。

アナリティクス機能として、実際のデモを利用した後のコンバージョン率や、閲覧数、デモの実行回数、取引の回数等を確認することができ、短期間で効率的にデモの効果を高めることができます。

営業に特化したソリューションとして注目を集め、10月にはシードラウンドで250万ドルの資金調達を発表したほか、すでに一部の上場企業内で利用が開始されています。

 

 

3.EasySend

 

2016年にテルアビブで設立された企業です。
保険会社を中心とした金融機関向けのノーコードツール「EasySend」を提供しています。当初は保険会社での利用を想定し、開発されましたが、その使い勝手の良さと機能性の高さから、現在ではほかの金融機関や、金融以外のオーソライズされた企業でも利用されています。

EasySendを使用することで、保険会社らの代理店システムや契約管理のシステムにおいて、顧客の情報を取り込むフォームや画面の構築といった作業を一括でノーコードで生成することが可能になります。

スタートアップとして堅実に導入実績を伸ばしており、またクライアントも金融機関が多いため、「金融機関向けノーコードツールEasySend,Intelなどから17億円を調達」の記事内でも記載したように、9月末には複数のVCから合計1600万ドル(約17億円)を調達し、話題になりました。

実際の操作画面

 

ドラッグアンドドロップで、好きなデザインを選択・設計。それらをバックエンドで自動生成・ビルドします。

 

例えば保険の契約で必要となる電子署名といった複雑なワークフローであっても、コードを書く必要はなく、署名をする当事者(単一契約者・複数契約者・ブローカーの有無など)を指定するだけで実装可能です。

 

当初保険会社を中心とした利用を想定した製品でしたが、顧客管理が必要となる他業種(通信事業者・銀行など)への導入実績も有しています。

4.Dealtale

 

2020年3月にテルアビブで設立されたばかりのスタートアップです。

データアナリティクスに特化したノーコードツールで、例えばSalesforceなどのCRM製品や、Webサイト、広告などのビジネスアプリケーションを統合し、単一のデータセットのように扱いデータ分析を可能とします。

従来このような包括的なデータ分析ツールを使用したい場合、開発者によるシステム自体もしくはAPIなどによる統合作業が必要となり、また、ほしいデータを取得するためにはSQLなどでクエリを投げたり、pythonなどでのスクレイピングを実施せねばならない場合もありました。しかしこのDealtaleを活用することで、GUIで直感的に欲しいデータをコードを書くことなく取得することが可能となります。

データ分析は業種を選ばず、マーケティング、EC、製品開発、販売、カスタマーサクセス、マネジメント、事業運営など幅広い分野で利用できることから、設立されたばかりではありますが、すでに複数のVCからの調達を実施しているとみられます(額は非公開)。

実際の操作画面

データをビジュアライズし、ダッシュボードに保存して、時間の経過とともに自分が指定したセグメントの動向を追跡できます。

 

5.Axonize

Axonizeは年にで設立された企業です。
IoTに特化したノーコードアプリ開発ツールを提供しています。

例えば、あるデバイスを開発した企業がそれをIoT化させたい場合のIoT操作用アプリの作りこみを自動化することが可能で、デバイスに合わせて逐一開発者がカスタマイズしてロジックの設計をする必要がなくなります。また、IoTデバイスのキモとなるセンサーなどのハードウェア部分についても、Axonizeでは多種類のプロトコルをサポートしているので、流用することが可能です。開発効率を向上させるために、複数機器で共通のビジネスロジックを切り出してテンプレート化することで、それらを使い回すことも可能です。

従来IoTデバイスの設計・開発においては、難易度の高さから専門家や知見を持ったSIer頼りになってしまうケースが多く、その分の人的・金銭的コストがかさんでしまうことが開発における課題として指摘されていました。Axonizeでは、この問題を解決できるよう、専門性の高い作りこみをしなくとも各デバイス・プロトコルの相互運用性をバックグラウンドで担保しているため、従来よりはるかに効率的・安価にIoTアプリ・デバイスの作りこみをすることを可能にしました。

実際の操作画面

 

デバイス管理用の画面です。Axonizeでは、管理画面にて複数のデバイスの情報を一元管理することができます。

またマイクロソフトのAppsourceとして利用可能であったりと、拡張機能が充実しており、柔軟性に富んでいます。

Axonizeは累計780万ドルの資金調達を完了しており、また在日イスラエル大使館経済部のホームページでも取り上げられているなど、注目度の高さをうかがわせます。

 

 

最後に

いかがでしょうか。操作画面を見つつ、それぞれの企業が特色あるソリューションを展開していることが伝われば幸いです。

NoCodeJapanでは、今後も国内外の最新の動向について配信していきます。

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